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レディファーストは女性差別?本当の意味は怖かった!イタリア人女子にも実際の状況を聞いたぞ。【海外事情】

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 日本にはない、レディーファーストの習慣。特に、女の人が色々男性をお世話しないといけない習慣が根強い日本では、特に年代が高めの女性は「いいわねえ~~」とうらやましがることも。

 そんな日本でレディーファーストがスマートに出来れば、モテそうな気も・・・。

 でも意外と、「嬉しくない」とか逆に「差別」じゃない?なんて意見も結構あるんですよねえ。

 レディーファーストは海外ではどうなのか、俄然興味が湧いてきたのは、フランスのレディーファーストについて、二つ違う意見を聞いたこともあります。

 フランスにある日本支社で一年ほど働いていた会社員の人によれば、フランスはレディーファースト文化が強くて、女性は絶対ドアは自分で開けないと。

 けれど、フランスを専門に研究している学者さんによれば、「え、レディーファーストが強い??そんなことないよ、ハハハ、外国の人って色々よその国に偏見持つからねえww」とかで、「一体どっちなんだろう??」と私は混乱してしまったわけです。

 残念ながらフランス人の友達がいないので、イタリア人の子に、イタリアではどうなのか聞いてみることにしました!

 そして、ぶっちゃけ、レディーファーストが嬉しくない状況を私も経験したため、そんなことについても話した次第です。

 

 

イタリアでは、ドアを開けてくれるくらい

 さて聞いたのは、この前大学を卒業したばかりの20代前半のイタリア人女子クララ。クララによれば、レディファーストはあるといえばあるけれど、今まで生きてきた中で一番それで恩恵を受けたのは、ドアを開けてくれる時くらいらしいです・・・(笑)

 それも、いつもドアを開けて貰えるというわけでもなく、あまり勝手を知らない未知の場所などに行った時くらいとか。そういう時は、彼氏とか男友達がドアを開けてくれることが多いとか。そして女性が先に入る。

 でも勝手を知っている場所だったら別で、自分が働いているオフィスとか、通っている学校とか、そういうところだったら、全然自分で開けて構わないらしいです。

 

 あとは、エレベーター。

海軍さんがいる街に住んでいると、海軍が開くパーティーに住民も呼ばれる。

そこのエレベーターは小さかったらしい。その時に、乗る人が女の子数人と、あと男性の大佐とかだと、大佐が「エレベーター狭いから、君たち使っていいよ、僕は階段で行くから」みたいな感じで、譲ってくれるのが習慣だったそうです。

 

 他はというと、男の子が、「レディーファースト」を自分の利益のために利用するケースが多かった・・・と嘆いておりました。

 例えば、学校の授業で、何かについてディベートする場合。

男子一人、女子一人が、ディスカッションするのに選ばれました。

「どっちが先に話す!??」

というシチュエーションで男子が一言。

「レディー・ファーストで!女子からどうぞ!」みたいな(;´・ω・)

 

・・・そうか、そういう使い方があったか・・・w

ディベートは、最初に口火を切る方が大変ですよね・・。後攻の方が、相手の主張を聞ける分、攻めやすそうだしw

 

食事の時に椅子は引いてあげる?食べ物の取り分けは?

 他の場面でのマナーについても聞いてみました。

イタリアでは、特に女の人が座るために椅子を引いてあげるというマナーはないそうです。ただ高級料理店などで、お店のスタッフが椅子を引いてくれることはあるそうな。

 

 そして、食べ物の取り分け。

日本では、若い世代の間では、段々そういう習慣は薄れてはきていますが、それでも女性が大皿から各人のお皿に取り分けたり、お酒を注いであげることが多いですよね。

 イタリアでは、場合によって違うそうです。

 家族での食事とか、庶民的な食堂で仲間たちと食事する時なんかは、女性が取り分けることが多いそうです。

 ただ、重要人物との、格式ある食事の場合・・・。

たとえば大統領とか社長と高級レストランでディナーする時とか・・。

そういう時は、逆に、女性は自分で取ってはいけないそうです。

その場を管理するのは信頼ある男性と考えられるため、えらい男性がお皿に料理をとってくれるそうな。

いってみれば、主導権を男性が取るという形でもありますね。

 

ヨーロッパ以外の国:フィリピンやセルビアではどう?

 さて、興味が湧いてきたので、オンライン英会話の講師にも聞いてみることにしました。

 まずは東南アジア、日本にも近いフィリピンではレディー・ファーストはあるのか?スペインの植民地だった場所ですから、少しは文化的な影響あるかも??

 結果、フィリピンには特にレディーファーストは無いそうです。

 日本と同じで、どっちかというと「お年寄りファースト」的なところはあって、電車やバスの中で、お年寄りに席を譲ってあげるというのは徹底しているようです。

 

 さて、東欧、バルカン半島のセルビアはどうかというと、やはり特にレディーファースト文化は無いそうです。

 はるか昔(1900年前後)には、椅子を引いてあげたり、ドアを開けてあげたりといったマナーはあったけれど、最近は全然忘れられているとのこと。

 

オランダにレディファーストはあるのか?

 私は半年ほどオランダに留学していましたが、その限られた経験の限りでは、特別にレディーファーストはありませんでした。喫茶店に行っても、男性も女性も割り勘しますし、特別に女性が先にお店に入らなければいけないこともないです。

 調べてみたところ、北欧ではそんなにレディーファーストは盛んではないとのこと。

理由といえば、男女平等が進んでいるからです。

 女性が強くて、社会でもバリバリ働いているし、カップルでも女性が男性をコントロールしている場合が多いとか(笑)

 レディーファーストの背景には「女性はか弱いものだから守ってあげなければいけない」という考えがあるとすれば、それは女性が社会的地位が低いこととも繋がっていたのだと思います。

 社会的地位が平等な国だったら、レディーファーストは女性の無能力を強調しちゃうようなことにもなりかねないのかもしれません・・。

確かに、ドアくらい自分で開けられますしねえ。

 

嬉しくないレディーファーストもある!

 これは私の経験談ですが、されても全然嬉しくないレディーファーストが一つあります・・・。

 日本でもなぜかレディーファーストをしてくる男性っているのですが、その中でも「女性を先に通す」これ、はっきりいって全然嬉しくないんですよね・・・。日本でやられると特に、そういう習慣がない・・・というか逆な習慣があるだけあって、困惑してしまいました。

 たとえば、お店の入り口で、一緒に並んで入ればいいところを、わざわざ立ち止まって、「どうぞ先に」と手で促される・・・。

・・・う、嬉しくない!!

 なぜかというと、「早く入れ!」と指図されている気になるからなんです。譲られているというよりも、命令されている気分・・・。または、早く入るよう急かされている気になって、焦ってしまいます・・・。

 しかも、先にお店に入るということは、店員さんが話しかけてくるのは私だし、席を決めないといけないのも私ではないですか・・・。

 これって、日本だと普通は目下の人がやることですよねえ。

部下の人が、上司よりも先にお店に入って、お店の人と話をつけ、上司を案内するという・・・そういう気持ちになってしまいます。なので「逆じゃん!」と思ってしまう。

 でも、「レディーファーストしたいんだなあ・・」というのが分かるので、おとなしくいつも先に入ってあげております・・・w

 譲るように見せかけて、譲っていないレディーファーストなのでは・・・と、いつもモヤモヤしてしまう訳でした。西洋の国で同じことをされるのだったら、習慣なので仕方ないとは思うのですけどねw

 で、これが嬉しくないのには、さらにエピソードがありますのでご紹介・・。

 

本当は怖い、レディーファーストの起源

 レディーファーストの起源について、本当かどうか分かりませんが、一つの説があります。それは、やはり「譲っているようで譲っていない」のでした・・。

 中世ヨーロッパでは、貴族や王族など男性には多くの敵がいました・・・。部屋には刺客が潜んでいるかもしれないし、食事には毒が盛られているかもしれない・・・。

 そこで、女性を先に部屋に通せば、最初に襲われるのは女性というわけです。部屋に危険が潜んでいないかどうかを確かめるという意味で、男性は後から入ったわけですね。

 イタリア人女子クララもその話は聞いたことがあるそうです。でもそんなときでも、本当に女性を大切にする騎士だったら、部屋に先に入っていたのだといいます。

 先に部屋に入って、危険が潜んでいないことを確認してから、大切な女性を導きいれたということでした。 

 この挿話は、真偽のほどは分かりませんが、部屋に先に入るよう促された時に感じた、私の違和感にもシックリ来るものだったんですよね。

 もし本当だとしたら怖い・・・。しかしクララによると、昔の王様の王妃はたくさんいて、どんどん亡くなっていったから、理由としてあり得て怖いね、とw

 

・・・そ、そして!

Wikipediaにも起源が詳しく書いてありました!!それによるとやはり、レディーファーストの起源は、今とは真逆で、「女性が男性に譲る」というマナーが先にあったそうです!

 

欧州の貴族や紳士の上流階級では女性の地位が低く、しばしば男性に対して従僕的な姿勢こそが理想の淑女であるとされ、後述のようなマナー教育が長らく行われていた(同時に弱者である婦女子を手助けするという、男性のマナーも存在した)。

近代において女性の地位復権を目指すフェミニズム運動が盛んになると、「(男性より)女性を優先しよう」という意味での誤用がスローガンとして広く普及し、用法・思想ともに一定の支持を得るようになった。

淑女教育としてのマナーであり、女性の取るべき行動に対する指針となっている(男性が女性のレディーファーストを手助けするのは紳士のマナーの一環)。

故に女性に「レディーファースト」を促すのは、女性の無教養・無作法に対する指摘・非難となる。

教会の扉や門は男性より先に女性が潜り抜けて、魔よけや安全を確認する
ホールへは男性より先に女性が入場し、男性を出迎える
食堂では男性より先に女性が用意・着席し、男性を出迎える・待たせない
食事は男性より先に女性が終わらせて退出し、男性の食後の談話(ジェントリの政治の時間)に加わらない
女性は男性より先に就寝し、貞淑を守る(または寝室で男性を出迎える)
女性は男性より先に起床し、朝の身支度を終えて出迎える

 

 

うーん、や、やはり!

違和感の根拠はここにありました・・・。

この後、フェミニズム運動が盛んになると、男性が女性をエスコートしてあげるものだ、というものに「レディーファースト」の概念自体は変化したそうです。

 なので、女性差別と女性優遇の両方が現在は混ざり合って、今のかたちになっていると考えられそうですね・・・('ω')

 

嬉しいレディ・ファーストってどんなの?

 じゃあ、されて嬉しいレディーファーストってどんなのだろう?と考えると、それは特に「女性だから」ってしてくれるものでなく「非力だから」とか、単なる親切で、男女どちらがしてもされてもおかしくないような、そういう行為だなあと思います。

 大きくて重いドアを、筋肉の力がある人が、さっと開けてくれたり、お皿に料理を取り分けてくれたりしてもらえるのは、嬉しいです。

 後の人のためにドアを開いておいてくれたり、グッタリしてる時に席を譲ってくれたり・・・それも素直にうれしいです!

 で、これって結局「人に親切にする」っていう普遍的行為で、特に性別関係ないですよね。やっぱり「相手のことを本当に思ってしている行為なのか、どうか」っていうところが一番根本にある気がします・・・。

 ネットで色々読んでると、西欧でも、レディーファーストに違和感を感じている人は一定程度いるみたいで、女性の社会進出がどんどん進んでいる現在なので、段々時代遅れのマナーになっていく可能性もあるかもしれません。

 特別な場面以外で残るのはやっぱり、普通の人の普通の親切かも・・・。

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