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オランダ美術史17世紀の絵画まとめ(派ごと)フランス・ハルス、フェルメール、風景画他

ハーレム マンネリズム派(haarlem School of Mannerism)\

1590年頃

コーネリス・ヴァン・ハーレム Cornelis van Haarlem

De kindermoord te Bethlehem

特徴
  • ねじくれたポーズで描かれた裸体群像
  • 不自然な肌の色(緑っぽい)
  • 主題を特定するのが困難。
  • 世間にショックを与えようとするような手法
  • 人物は、絵の中心点を回転するように配置されている。
  • モニュメンタルなフォーマットが用いられている

 

アムステルダム プリ・レンブランティスト派(Amsterdam Pre-Rembrantists)

1615年頃

ピーター・ラストマン(Pieter Lastman)

IMG_7412 Pieter Lastman. 1583-1633. Amsterdam. battle between Constantine and Maxentius. Bremen

 

特徴
  • ジェスチャーがたくさん見られる。物語的。
  • 感情は動作によって、外側に饒舌に表されている。
  • 人物達は、舞台上の人物のように演出されている。
  • 対象物グループは三角形の形にアレンジされている。
  • 明るい色彩
  • 洋服や静物への注意がされている
  • 絵のサイズは小さい

ユトレヒト・カラヴァッジスト派(Utrecht Caravaggist School)

 

1625年頃

ヘンドリック・テルブリュゲン(Hendrick Terbrugghen)

IMG_3081C Hendrick Terbrugghen. From 1588 to 1629. Utrecht. Esai bought his birthright to his eldest for a mess of pottage. Old Testament. Berlin Gemäldegalerie.
 特徴
  • 大きく描かれた人物(半身だけ)が、絵画のキャンパスを満たしている
  • 粗野な表情の人物たち(カリカチュアとして描かれた)
  • 場面の中に含まれるドラマに焦点を当てている
  • 光と影のコントラスト
  • 人物の手が絵の中心にあり、何かを語っている
  • 演劇のようなコスチューム
  • 人工的な照明
  • ジェスチャーが重要である

ライデン ファインペインティング派(Leiden School of Fine Painting)

1650年頃

ジェラルド・ドウ(Gerald Dou)

gerald dou painting at the louvre

特徴
  • 小さいサイズの、高価な絵画
  • 技術的に、匹敵するものがないほど洗練されている
  • 高級な服を着た数人の人物を描く
  • セクシャリティを微妙にほのめかしている
  • ブラシストロークは目に見える
  • 特にユーモアはない、人物同士のコンタクトもない

デルフト派(Delft School)

1660-1675年頃

ピーター・デ・フーフ(Pieter de Hoogh)

1191vv

  • 女性の持つ美徳を表現した
  • 建築空間や空間構成を強調
  • 富裕な商人の家の室内シーン

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)

1660年

Netherlands-4205 - Milkmaid

特徴
  • 現実に存在するようなイリュージョンを創造(遠近法、光と色彩、とりわけ左側の部分的に隠された窓からのソフトな明かりによる)
  • 空間的構成が堅牢。ある雰囲気を伝える
  • 暖かい昼間の光と、密度の濃い色彩
  • 穏やかな主題。特にアクションやドラマはなく、ほとんど動作を要求しない場面。
  • 調和に満ちたプロポーション、バランスのとれた画面構成
  • カメラ・オブスキュラの使用
  • 時に、遠近法の消失点が複数ある
  • 女性の美徳を表している
  • 厚塗りされた絵具(impaste)と繊細な筆使いのコンビネーション
  • 鮮やかでコントラストの効いた色彩
  • 一人や二人くらいの少数の人物を集中的に描く
  • エッセンシャルな形すべてのバランスを取った古典的な手法

ヤン・バン・ゴエン派(School of Jan van Goyen)

IMG_7109X Jan Van Goyen 1596-1656 Leyde  Paysage de Rivière  Landscape River. 1652  Cologne  Wallraf Richartz Museum

 

 特徴
  • ほとんど白黒に近い
  • 水が支配的な風景
  • 地平線が下のほうにある
  • なだらかなスロープによる構成
  • モニュメンタルな雲の形
  • 幅が広くて、目に見えるブラシストローク
  • 雲は描くのに時間がかからないので、絵の値段は安かった
  • 幅広く、素早い筆使い、
  • 対象物を減らしている
  • 湿気っぽい雰囲気
  • 色彩には、それほどこらないで、スタンダードな型式のバリエーションを沢山描いた。このことが描く時間を削減することにつながり、より多くの人にとってお手頃な価格にすることができた。
  • 砂丘や、都市の風景、海辺のシーン、雷雨を描いた
  • 1650年頃

 レンブラント派(Rembrandt School)

ゴバート・フリンク(Govert Flinck)

Govert Flinck (Kleve, 1615 - Amsterdam, 1660)  Retrato de un joven con sombrero de pluma y gorguera (c. 1636)
特徴
  • 幅広いブラシストローク
  • 絵具は、キャンバスの表面に厚く彫り付けられるように使われている
  • ほとんどの場面が影の中で展開される
  • レンブラントの主題をパラフレーズしている
  • レンブラントほどの力強さはない

 レンブラントとフランス・ハルスの肖像画比較

 共通点

  • 幅が広く、粗いブラシストローク
  • ポーズにバリエーションがある
  • 物語的な要素がある
  • モデルを活き活きと描いている(動作をつけたり、振り返るポーズ、椅子を使ったり)
  • グループの肖像画を革新した
  • レンブラントの肖像画は、歴史画と重なっている

フランス・ハルス(Frans Hals)

1624年

The Wallace Collection Frans Hals

特徴

  • ポーズにバリエーションがある
  • 顔の表情がよく描かれている
  • 椅子などの舞台装置あり
  • 鮮やかな筆使い
  • 自然光を生かした明るく軽快な印象(Plein-Air effect)
  • 騎士は微笑んでいる。大胆で粗い筆使い
  • 肘は短くデフォルメされている
  • 華やかににカーブした帽子の輪郭
  • 私たちを見下ろしている

レンブラント

・ハルスは幅広くダイナミックな筆使いをしていた一方、レンブラントは繊細で細やかな筆と粗く幅広い筆、厚い絵具の層という手法を組み合わせた。

Nicolaes Rutsの肖像 1631

 

Rembrandt, Nicolaes Ruts 1631

  • 毛皮商人ニコラス・ラッツ。椅子や手紙という小道具を使っている。
  • 私たちを見ている(見る人を巻き込む)
  • 物語がある
  • 手紙を今受け取ったばかりのように書かれている
Agatha Bas の肖像 1641

 

IMGP8207

 

  • 正面から描いている
  • 片手は、想像の中のポーチの片側(絵の枠)におかれている。彼女は見る人と同じ世界にいるように提示されている。
  • ソフトなライトがベルベットのような質感を生んでいる

風景画の世界

アダム・エルシェイマー(Adam Elsheimer)

Adam Elsheimer, Apollo and Coronis, 1607-08, Oil on copper, 12,6 x 17,4 cm, Walker Art Gallery, Liverpool

 

  • 夢見るような雰囲気と、特徴的なブロッコリーのような木々
  • 歴史絵画や風景がに影響を与えた。
  • 茶色、緑、青という三色
  • 霞がかかったような背景

田舎の風景(17世紀の最初の10年)

  • 空間的広がりがある
  • 湿気を示唆
  • 塔のようにそびえる雲と低い地平線
  • 水が重要な要素となっている
  • 廃墟が登場
  • 自然のエッセンスを抽出しようとする。自然そのもをうつすのではなく再構成する。
  • ドローイングを基にしている

ヘンドリック・アバーキャンプ(Hendrick Avercamp)

1610

ice scene 2 AVERCAMP, Hendrick

 

  • 鮮やかな色彩
  • きめ細やかな技術
  • 演劇の舞台のような演出
  • 水平・パノラマ的画面
  • 物語に満ちている。
  • ブリューゲルを想起させる。

 

 エサイアス・ヴァン・デ・ヴェルデ(Esaias van de Velde)

1614

winter-scene-with-skaters-1615 esaias van de velde

  •  ・ウェット・イン・ウェットの手法(乾ききらないうちに塗り重ねる)
  • 幅広く、スバやかな筆使い
  • スケッチしたような人物が最後に付け足される
  • 三色はやめた
  • 後期には、洗練された技術と、カラフルさ、物語に満ちたものへと回帰する
  • おもにリッチな収集家のために高価な絵画を描いた

古典期;ヤコブ・ヴァン・ロイスダール(Jacob van Ruisdael)

1670年頃

Netherlands-4200 - Windmills at Wijk bij Duurstede

  • 色彩が鮮やかになる
  • モニュメンタルな形。(雲や木々、建築物など)
  • 垂直的な形、
  • 静けさ
  • スポットライトの使用
  • 木々や茂みは、現実にそっくりしのまま描かれている

風景画の意味づけ

 

  • オランダの創意工夫の豊かさを誇る(風車など)
  • 生まれ故郷の繁栄、美しい農地の描く。
  • 自然風景は、神がつくった第二の聖書でもある。
  • 巡礼者としての人生

 

 

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