ハーレム マンネリズム派(haarlem School of Mannerism)\
1590年頃
コーネリス・ヴァン・ハーレム Cornelis van Haarlem
特徴
- ねじくれたポーズで描かれた裸体群像
- 不自然な肌の色(緑っぽい)
- 主題を特定するのが困難。
- 世間にショックを与えようとするような手法
- 人物は、絵の中心点を回転するように配置されている。
- モニュメンタルなフォーマットが用いられている
アムステルダム プリ・レンブランティスト派(Amsterdam Pre-Rembrantists)
1615年頃
ピーター・ラストマン(Pieter Lastman)
特徴
- ジェスチャーがたくさん見られる。物語的。
- 感情は動作によって、外側に饒舌に表されている。
- 人物達は、舞台上の人物のように演出されている。
- 対象物グループは三角形の形にアレンジされている。
- 明るい色彩
- 洋服や静物への注意がされている
- 絵のサイズは小さい
ユトレヒト・カラヴァッジスト派(Utrecht Caravaggist School)
1625年頃
ヘンドリック・テルブリュゲン(Hendrick Terbrugghen)
特徴
- 大きく描かれた人物(半身だけ)が、絵画のキャンパスを満たしている
- 粗野な表情の人物たち(カリカチュアとして描かれた)
- 場面の中に含まれるドラマに焦点を当てている
- 光と影のコントラスト
- 人物の手が絵の中心にあり、何かを語っている
- 演劇のようなコスチューム
- 人工的な照明
- ジェスチャーが重要である
ライデン ファインペインティング派(Leiden School of Fine Painting)
1650年頃
ジェラルド・ドウ(Gerald Dou)
特徴
- 小さいサイズの、高価な絵画
- 技術的に、匹敵するものがないほど洗練されている
- 高級な服を着た数人の人物を描く
- セクシャリティを微妙にほのめかしている
- ブラシストロークは目に見える
- 特にユーモアはない、人物同士のコンタクトもない
デルフト派(Delft School)
1660-1675年頃
ピーター・デ・フーフ(Pieter de Hoogh)
- 女性の持つ美徳を表現した
- 建築空間や空間構成を強調
- 富裕な商人の家の室内シーン
ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)
1660年
特徴
- 現実に存在するようなイリュージョンを創造(遠近法、光と色彩、とりわけ左側の部分的に隠された窓からのソフトな明かりによる)
- 空間的構成が堅牢。ある雰囲気を伝える
- 暖かい昼間の光と、密度の濃い色彩
- 穏やかな主題。特にアクションやドラマはなく、ほとんど動作を要求しない場面。
- 調和に満ちたプロポーション、バランスのとれた画面構成
- カメラ・オブスキュラの使用
- 時に、遠近法の消失点が複数ある
- 女性の美徳を表している
- 厚塗りされた絵具(impaste)と繊細な筆使いのコンビネーション
- 鮮やかでコントラストの効いた色彩
- 一人や二人くらいの少数の人物を集中的に描く
- エッセンシャルな形すべてのバランスを取った古典的な手法
ヤン・バン・ゴエン派(School of Jan van Goyen)
特徴
- ほとんど白黒に近い
- 水が支配的な風景
- 地平線が下のほうにある
- なだらかなスロープによる構成
- モニュメンタルな雲の形
- 幅が広くて、目に見えるブラシストローク
- 雲は描くのに時間がかからないので、絵の値段は安かった
- 幅広く、素早い筆使い、
- 対象物を減らしている
- 湿気っぽい雰囲気
- 色彩には、それほどこらないで、スタンダードな型式のバリエーションを沢山描いた。このことが描く時間を削減することにつながり、より多くの人にとってお手頃な価格にすることができた。
- 砂丘や、都市の風景、海辺のシーン、雷雨を描いた
- 1650年頃
レンブラント派(Rembrandt School)
ゴバート・フリンク(Govert Flinck)
特徴
- 幅広いブラシストローク
- 絵具は、キャンバスの表面に厚く彫り付けられるように使われている
- ほとんどの場面が影の中で展開される
- レンブラントの主題をパラフレーズしている
- レンブラントほどの力強さはない
レンブラントとフランス・ハルスの肖像画比較
共通点
- 幅が広く、粗いブラシストローク
- ポーズにバリエーションがある
- 物語的な要素がある
- モデルを活き活きと描いている(動作をつけたり、振り返るポーズ、椅子を使ったり)
- グループの肖像画を革新した
- レンブラントの肖像画は、歴史画と重なっている
フランス・ハルス(Frans Hals)
1624年
特徴
- ポーズにバリエーションがある
- 顔の表情がよく描かれている
- 椅子などの舞台装置あり
- 鮮やかな筆使い
- 自然光を生かした明るく軽快な印象(Plein-Air effect)
- 騎士は微笑んでいる。大胆で粗い筆使い
- 肘は短くデフォルメされている
- 華やかににカーブした帽子の輪郭
- 私たちを見下ろしている
レンブラント
・ハルスは幅広くダイナミックな筆使いをしていた一方、レンブラントは繊細で細やかな筆と粗く幅広い筆、厚い絵具の層という手法を組み合わせた。
Nicolaes Rutsの肖像 1631
- 毛皮商人ニコラス・ラッツ。椅子や手紙という小道具を使っている。
- 私たちを見ている(見る人を巻き込む)
- 物語がある
- 手紙を今受け取ったばかりのように書かれている
Agatha Bas の肖像 1641
- 正面から描いている
- 片手は、想像の中のポーチの片側(絵の枠)におかれている。彼女は見る人と同じ世界にいるように提示されている。
- ソフトなライトがベルベットのような質感を生んでいる
風景画の世界
アダム・エルシェイマー(Adam Elsheimer)
- 夢見るような雰囲気と、特徴的なブロッコリーのような木々
- 歴史絵画や風景がに影響を与えた。
- 茶色、緑、青という三色
- 霞がかかったような背景
田舎の風景(17世紀の最初の10年)
- 空間的広がりがある
- 湿気を示唆
- 塔のようにそびえる雲と低い地平線
- 水が重要な要素となっている
- 廃墟が登場
- 自然のエッセンスを抽出しようとする。自然そのもをうつすのではなく再構成する。
- ドローイングを基にしている
ヘンドリック・アバーキャンプ(Hendrick Avercamp)
1610
- 鮮やかな色彩
- きめ細やかな技術
- 演劇の舞台のような演出
- 水平・パノラマ的画面
- 物語に満ちている。
- ブリューゲルを想起させる。
エサイアス・ヴァン・デ・ヴェルデ(Esaias van de Velde)
1614
- ・ウェット・イン・ウェットの手法(乾ききらないうちに塗り重ねる)
- 幅広く、スバやかな筆使い
- スケッチしたような人物が最後に付け足される
- 三色はやめた
- 後期には、洗練された技術と、カラフルさ、物語に満ちたものへと回帰する
- おもにリッチな収集家のために高価な絵画を描いた
古典期;ヤコブ・ヴァン・ロイスダール(Jacob van Ruisdael)
1670年頃
- 色彩が鮮やかになる
- モニュメンタルな形。(雲や木々、建築物など)
- 垂直的な形、
- 静けさ
- スポットライトの使用
- 木々や茂みは、現実にそっくりしのまま描かれている
風景画の意味づけ
- オランダの創意工夫の豊かさを誇る(風車など)
- 生まれ故郷の繁栄、美しい農地の描く。
- 自然風景は、神がつくった第二の聖書でもある。
- 巡礼者としての人生