都会を脱出して、空気がきれいで時間の流れもゆったりした田舎で暮らしたい!
とか、もっと自然に触れられる環境で過ごしたい!
人と人とのハートウォーミングな交流がもっと残っている場所で働きたい・・・など理由は色々だと思いますが、特に都市部に住んでいると、地方の小規模な街や山里、漁港が恋しくなったりするものです。
それに、都市への一極集中と、田舎の過疎化は、現在の日本社会の大きな問題にもなっています。地方にもっと人を呼び込めたり、今までと違う新鮮な空気を持ち込んで、住んで楽しい魅力的な場所にできたら・・・
それは、とてもやりがいのあることですね。
都会で、ノルマに追われつつ、誰のために役立つのか分からない仕事をしていると、たまに自分は何をやっているのだろう・・・とふと立ち止まってしまうことがあります。
けれども、実家があるならともかく、いきなり知らない田舎に飛び込んで、仕事を探すのはハードルが高いですよね。
そんな時、「地域おこし協力隊」はとても魅力的。お給料が払われ、原則的に3年間は行政によって居住条件を整えて貰えた上で、自分でその後のことを考えて過ごせます。
けれど、色々と失敗例もあるようです。
どんな点がデメリットになってくるのか、調べてみました!
地域おこし協力隊のデメリット
便利屋的に搾取される例
地域おこし協力隊制度では、国から一人当たり約400万円の補助金が支給されます。
自治体にしてみれば、そのお金を使って、自分のところも予算を費やす必要がなく、新たに何人か非常勤職員を雇用できるということ。
なので中には、「なんでもやってくれる雑用係さんを、安く雇える~♪」くらいの考えで採用してしまうところも、残念ながらあるようです・・・。
すると、自治体のトイレ掃除、食堂の下働き、レジまで、ともかく人が足りていなかった雑用を押し付けられるようなケースもあるとか・・。
最近では、地域おこし協力隊に、郵便配達をさせいていた・・・という自治体(あえて名前は挙げませんが・・・)がテレビなどでも、問題になっていましたね。
新しいことを提案しても、行政が受け入れてくれない例
それから、国の地方創生プロジェクトチームの方は、おそらく、外部の人の新鮮な意見や行動という、今までになかった新しい視点やアイディアが地域に持ち込まれることで、その地域が、新しいチャレンジに取り組み、活性化されていく・・!という図式を思い描いているかと思います。
けれど、ともかく日本の地方は土地柄がまだ保守的なところも多いです・・・。
特に、市役所や村役場などは、お役所仕事の世界ですから、余計にそうです。
そんなわけで、地域おこし協力隊が、自分で例えば、地元野菜のネット直売や、新商品開発などを提案しても、それを仕事として認めて貰えない事例もあるようです・・。
また、地元の人が色々と創意工夫している場合は、そこに新しく外から入ってきた人がいきなりあれこれ意見を言うことに抵抗感を覚える場合もあるようです。
そんなわけで、ネット上には以下のような意見も。
地域おこし協力隊にとって、一番の障害は実は行政だったりする。税金が軒並み上がって行く中で、税金の使用についてが問題になるようになっている。衰退が顕著な地域の場合、その再分配のタクトを持っているのは行政府。しかしその行政府には地域おこしのノウハウはない。#地域おこし協力隊
— tadaakifujimaru (@historyjapanfro) 2017年11月14日
あまり地域おこし協力隊の業務内容が、大枠でビシッと決まっているわけではないというところから、自治体によっては、単に今ある業務を、そのまま続けてくれることを望むようです。
もちろん、これはある意味では、メリットにもなります。
というのも、もし自分で新規事業をバリバリ立ち上げたい!という隊員ではなくて、
とりあえずお試しで3年間、気になる地域に住んでみて、あえばそのまま移住したい・・という隊員だったら向いています。
とりあえずタスクをこなす要員として何年か住めばよいので・・。
自分で頭をひねって、何か一から立ち上げる必要はありません!
任期終了後に仕事が見つかる保証はない
平成29年の、総務省の調査結果によれば、任務を終了した地域おこし隊員
2,230人のうち、1,396人が、活動していた地域または近隣地域に残っています。
6割ほどが、定住を続けているということです。
この数値からみると、地域おこし協力隊は、全国的に見れば、そこそこはうまく行っているとはいえるかもしれません。
そして、定住した人のうち、47%が就業、29%が起業、14%が就農など。
大体9割の人は、何らかの仕事が見つかったということになります。
ただ、もちろん地域おこし協力隊は、あくまで任期付きの非常勤職員です。
期間が終われば、地位の保証はありませんので、自分で何か道を切り開かなくてはいけません。
三年間を、終了後のことを考えずになんとなく過ごしてしまうと、後から困ったことになる可能性はあります。
「嫁に来い」。地方ならではの慣習に戸惑うことも?
田舎では、まだまだいわゆる会社で働く女性というのが珍しい、なんていう地域もあります。そういう場所では、女性といえばやっぱり「農家のヨメ」的イメージが強いらしく、「嫁に来なよ~~」と、かなりしつこく言われて戸惑うケースもあるようです。
(”良い子だね、いつまでもこの地域にいてほしいな”という気持ちの、表現の仕方が、単純に他になくて言っていることも多いとは思います)
まあもちろん、地域おこし協力隊制度には、潜在的にはそういう需要をも叶えるところがありますけれどね。子育てする人を増やしたい、という自治体の要望はあることでしょう。
また、地方独特の密な人間関係に入り込むには、色々と行事にも顔を出す必要があったりで、わりと社交性が求められる場面は多いです。
特に、恋愛事件などを起こすと、田舎では噂が広まりやすいので、用心した方がいいかもしれません('◇')ゞ
地域おこし協力隊のメリットは?
定住や就農の準備になりやすい
6割の人が、任期終了後に定住していますので、お試し定住期間としては、それなりに機能しているといえます。
この時だいじなのは、やはり将来住みたい地域の目星をしっかり付けておくこと!だと思います。
もちろんその自治体の出している、地域おこし協力隊の募集要項をよく読み込んで、
単なる「雑用係」を募集しているわけではないか、自分の将来的な希望に合致する方向か、などはよく検討する必要があると思います。
できれば、応募前に、いちど現地を訪れて雰囲気を味わっておくのも大事だと思います!三年間過ごすことになる場所ですからね・・・。
見に行った時に、ピンとくるものがあるかもしれませんし、逆にイメージと違ってイマイチだな、と感じるかもしれません。
飲食業や、観光業を目指している人は、チャンスを掴めるかも
さて、定住した人のうち、皆どんな仕事をゲットしているのでしょうか。
まず起業した人の中では、
- 飲食サービス(古民家カフェなど)
- 小売り(パン屋さん、山菜や鮮魚の販売)
- 宿泊施設(ゲストハウス等)
- まちづくり支援(地域ブランド作りの支援など)
というビジネスを立ち上げた人たちが多かったです。
田舎の新鮮素材や、古民家を活かした、いい感じのカフェやレストランを開きたい、とか、田舎では意外と少ないから需要もありそうな焼き立てパンのお店、とか、
はたまた
旅人が来れる素敵なゲストハウスを経営!
・・・そういった明確な夢がある場合は、この地域おこし協力隊制度をうまく利用すると、展開がしやすいかもしれません。
なにしろ、お給料が三年間は支給されますので、その間にお得意先を見つけておくことが可能です。地元事情が分かっていた方が、お店なども立ち上げやすいですし♪
そして就業した人の中では、
就農、畜産業、観光関係、まちづくり支援、農林漁業(組合など)の割合が高かったです。
なので、農業や漁業、林業に携わりたい、専業農家を目指したい・・・と思っている人には、ちょうどスタートアップとして、この協力隊事業をおおいに利用するのはいいと思います。
また、ホテルや地域支援、地元の林業組合などでの就職の道もあるようです。
定住率の多い自治体は?
ちなみに、平成29年データをみて、任期終了後の定着率が高かった自治体は、
- 埼玉、静岡・・・100%!
- 北海道・・・78.5%
- 千葉・・・77.8%
- 愛媛・・・73.3%
- 福岡・・・71.4%
- 徳島・・・71.2%
- 奈良・・・70.7%
- 山口・・・70%
上記のようになっています。このリストに入っている地域では、比較的受け入れ側と隊員のニーズが合っている案件が多かったり、その後定住しやすい環境が整っていることが多いのかもしれません。
年齢制限はある?
地域おこし協力隊というと、若い人が多いイメージがあります。
実際、若い世代が多いのですが、意外と60代の参加者もいるんですよ!
自治体によって募集対象年齢は違ってくるとは思いますが、
女性は
- 20代で約41%、
- 30代も約41%、
- 40代も約13%
- 50~60代は約3%
男性は
- 20代で約33%
- 30代で約37%
- 40代で約20%
- 50~60代で約9%
こんな年齢構成になっています。
女性だと10人に一人、男性だと10人に二人は40代なので、意外と20~30代ばかりではありませんよ。
地域おこし協力隊のメリット・デメリットまとめ
こんなわけで、協力隊のメリットとデメリットを見てきました!
デメリットとしては、やはり受け入れ態勢がちゃんとしていない自治体に派遣されてしまった時や、自分と自治体のニーズがミスマッチしてしまった場合に、無為な時間を過ごすことになってしまうかもしれません。
(その中でもなるべく色々なものを得ることは出来るとは思いますが)
なので、ともかく、地域おこし協力隊で派遣される地域の選定は、時間をかけて行った方が良いです!ねばって、ピンとくるところを探しましょう。
仕事内容はもちろん、現地を下見に行くのがよいかも・・。
そして、自分の目標をなるべく明確に持っておいた方がいいです!
理想的には「この目標を叶えるために、三年間をいかに使うか」くらいのスタンスでいた方が良いかもしれません。
とにかく、地方に移住したい、田舎で仕事をしたいという人にとっては、身分とお給料は保証される、素晴らしい制度だとは思いますが、色々情報はちゃんと調べておくようにするのをおすすめします。
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