さて、大学職員の詳しい仕事内容について、前回は「人事」「総務」「研究支援」という三つの部署について見てきましたが、今回はそれ以外の部署のお仕事について書こうと思います
大学職員を志望しているけれど、業務内容がよく分からない・・・分からないだけに、エントリーシートや面接などで、うまく志望動機を言える自信がない・・・。
そんな方のお役に立つことができれば嬉しいです。
財務部の仕事内容
さて、大学は民間企業とは違いますが、それでも勿論やはり、莫大なお金の流れがある部門です。
授業料はもちろんのこと、外部からの補助金収入も・・・。また業者さんへの研究機器の発注、設備投資、などなど出ていくお金も多いです。
財務部は、そんなお金の流れを司る場所。
ちなみに、私のいた大学では、けっこう激務の部署でした。
けれど某私大に勤める友人の話では、財務部の人はいつも早く帰っている、とかいうことなので、大学ごとのシステムに依存しそうです。
物品購入
各部署から上がってくる発注依頼をもとに、実際に業者さんに発注します。
何を買うかというと、文房具からパソコン、ソフトウェア、データベース、机などの調度品、電気ポット、など様々です。
購入伝票(物品の名前、金額、納入予定日、発注先・・)などを、パソコンで会計システムに打ち込むところがほとんどだと思います。
会計システムは便利です!
仕訳とかが分からなくても勝手にシステムが、バランスシートに記入してくれますので。もちろん、貸借対照表が読めたり、仕訳が分かっていたりするほうが、仕事上便利ですが、それは追い追い最低限は分かってきます。
大学は、書類の承認過程が民間よりは、時間かかるかもしれません。
係員、課長、部長、時には学長あたりのハンコまで必要になります。
伝票も、プリントアウトして、決裁に回すことになります。
旅費・謝金の支払い
大学では、出張旅費の額は一般的な会社に比べて莫大かもしれません。
なにしろ先生達が、世界中、学会やら資料調査やらで飛び回ります!
アメリカ、ヨーロッパはもちろんアフリカやアジアの僻地まで・・・。
部局の方から航空券の領収書を出してもらったり、移動経路を旅費システムに打ち込んでもらったのが、旅費担当のワークフローに流れてきますので、これに基づいて旅費を支給します。
国内鉄道だと、簡単に額が出せるんですが、外国だとそうもいかないので鉄道の料金なども資料でつけてもらいます。
旅費の業務の楽しさは、なんとなく頭の中で先生達の行った外国旅行をなぞれるところです・・・。ただ時には、うらやましくなってしまうことも・・・。
そして謝金の支払業務も行います。
謝金は、TAの学生さんに払うアルバイト代から、講演会などで喋ってもらった大物教授への謝礼まで様々です。
そして年末になると結構面倒な業務は、源泉徴収票や、支払調書の発行です。
一年間に謝金を支払った人すべてにあてて、支払調書などを発行します。
データの集計が大変な場面でもあります。
間違いがあると、謝金の受取人から電話かかってきますしね(;^_^A
出納(収入・支出)
大学から最終的に、お金をどこかに支払ったり、どこからかお金を受け取ったりするときの、元締め窓口となるのがこの係。
支払日は、毎週何曜日かに決められていて、その際に変なデータがないか総チェックを行います。
入金されたお金についても、入金予定表と照らし合わせて、一個一個確認していきます。
学生さんから授業料や入学料納付がない場合に、催促するのも、ここの係。
・・・たまに、あまりに支払いの遅い学生さんなどに、ブチ切れている姿を見たことがあります(;^_^A
予算・決算
ここの係の人は、会計仕訳が分かっていた方がいいです。
大学全体の予算を立てて、また決算をまとめます。
この決算をまとめる時には、色々、各部署の人が入力したエラー情報も混じっていますので(仕訳が間違っていたり・・・)
一個一個確認して修正していきます。
財務管理
ここの係では、主に大学が保有している固定資産などを管理します。ホールや寮など、不動産が多いです。
また施設備品も登録管理します。(10万円以上の物品が、大学の備品として管理されます。それ以下は、消耗品扱いなので、特にラベルを貼って管理とかはしないです)
色々書いてますが、このご時世なので、まあ他の部署もそうですが、財務部も特にIT化が進んでいますので、普段の業務としては、基本はパソコンに向かっていることが多いです。
伝票チェックは紙ベースですけど。
内部監査室
内部監査室というものを設けているところもあります。
実は、大学も、国の資金は投入されている以上、何年かに一度、国の会計検査院から、査察・・・というか監査が入ります。
カラ出張とか、業者との癒着とか、何か疑わしき会計処理が行われていないか検査されるわけです。
会計検査院が入るときの緊張感はなかなかです・・・。
これへの対策・・・というわけでもありませんが、大学によっては、みずから監査室を設けていて、普段から、変な会計処理がないかチェックしています。
大体は、会計担当のベテラン職員+若手、みたいな構成だと思います。各研究科に出向いて、帳簿をめくったりします。他部署の人から見たら、やや面倒な存在と思われるかもしれません・・・。
入試課の仕事内容
さてさて、大学といえば大変な時期はやっぱり入試!
入試の時に何かやらかしてしまったら、即、新聞沙汰になってしまいますからね!
あの時期は、あまり好きではありませんでした・・・。
大体、会場設営や片付けからして面倒いんです!
たいてい、全学職員が駆り出されることになろうかと思いますが、これを取り仕切るのが入試課です。
「でも入試って1月~3月だけだよね?・・・他の時期は何してんの?」と思ったあなた、その通り!確かに、冬は、遅くまで残業が続くことはあっても、他の季節では天国!暇!定時て帰れる!・・・というのが、入試課のようです。
冬以外の時期の業務としては、入試説明会などがあります。大体、夏ごろから、各大学が高校生のところに出向いて、自分の大学のアッピールをしますよね。
あの時説明している職員は、入試課の人だったかもしれません。
入試の時は、舞台裏では職員が大わらわで働いています。
まず回収した答案を分別して箱に詰め、受験票をチェックし、風邪などで別室受験の受験者があらわれたら、急遽、試験監督を割り振ったり、問題文に訂正があるときは、急いでそれを各部屋の監督に伝えたり・・・。
こういうのを取り仕切っているのが入試課。
試験当日に使う物品をそろえたりもします。(英語リスニングテスト用のスピーカーがちゃんと動くか、とか、試験監督に渡す書類や文房具を袋詰めにしたり・・・)
試験当日の看板や掲示も、所定の場所に貼ります。
入試当日のスケジュール表を組みます。(試験開始のベルを鳴らすタイミングなどまで、細かく記載されている)
そして試験が終わる前は、受験票の発送なんかも行います。出願書類に通しナンバーを振ってファイリングも。
試験が終わった後は、合格者に、合格通知を発送します。
入試当日は、不測の事態が色々と起こることも多いので(雪で電車が遅れる、問題文が訂正になる、体調不良で倒れる学生が出る・・などなど)
臨機応変に対応できる、テキパキした人が最適です・・・。
(私とは真逆のタイプ・・・(;^ω^))
まとめ
こんな感じで、今回は財務のお仕事や入試のお仕事について語りました!
またもや、けっこう長くなってしまった・・・。
大学にはまだ違うお仕事もあります・・・。というわけで、以下の記事に書いてます。
ご参考になれば嬉しいです。