ローマは不思議な街だ…。
訪れた時には、「大都市」としか思わなかったのに、一年ぐらい経過してから、記憶の中で発酵したかのように、ジワジワと存在感を増してくるのだ。
記憶の中で勝手に街が育っているようでもある。
そして、行った時よりも、回想してみると、ローマがどんなに独特な雰囲気を湛えていたかが、深く味わえる。
まるで幻の街が、水面下から、浮かび上がってくるかのようだ。
迷路のような路地・・・。イタリア独特の、優雅で背の高い、でも歳月を閲して、薄汚れたような建築群・・・。
突然現れるローマ時代の遺跡、バラバラになって転がった神殿の柱やコロッセウム、そして天使の石像・・・。
サンタアンジェラ城にかかる石橋の上で、ドロップ缶を置いてひたすら ひれ伏し、施しを待っている乞食・・・。
黒っぽい車やオートバイが数千前の遺跡の脇を通り抜けていくし・・・。
バチカン王国のキューポラの上から見ると、夕日に当たって街は綺麗。どの建物も古びた石で出来ていて、それらが統一された黄金色に輝いている。
けれど、大都市。
所詮、大都市なんだよなあ、と田舎好きの私は思ってしまう。
やはり海や空の作り出す美しさや、壮麗さには敵わないものがある・・・。
古代人も、この都会には憂鬱を感じていたのではないか。
人の多さや、自然の少なさや、人間関係の軋轢だのに・・・。
そんな、古代人のメランコリーに同調するような気分になってしまっていたのだった。
正直、行った当初には、あまり感動しなかったのだった。
しかし、記憶の中で存在感がどんどん大きくなる。
こんな街は珍しい気がする。
そこで、回想しつつアレコレ書いてみようと思う。
日を置いて発酵させてからの旅行記である・・・。
【目次】
- トレビの泉
- コロッセオ(円形闘技場)
- フォロロマーノ
- パンテオン
- カンポデフィオーリ市場
- サンタアンジェラ城(聖天使城)
- サンピエトロ大聖堂
- サンピエトロ寺院の由来と感想
- サンピエトロ寺院は並ぶ?
- サンピエトロ寺院からの眺め
- ローマの治安はどう?
- ローマで行きたい、安くて美味しいレストラン
- イタリアに行ったら絶対、お菓子を食べよう!
- ローマ旅行記まとめ。
続きを読む